光触媒の抗菌・抗ウイルス効果
2012年に行われた経済産業省・外郭団体 NEDOの実験結果
新型コロナウイルスに対する消毒効果について、実験室レベルでの試験結果がうたわれていますが、
実際の実生活空間での実証実験が行われた貴重な結果があります。
光触媒技術は、1972年、東京大学の本多健一氏と藤嶋昭氏(元東京理科大学学長)が酸化チタンTiO2と白金の電極の間で、水の電気化学的光分解が発生していることを発見したという、日本が誇る化学技術です。
光触媒は、「親水性」という、カベの汚れを浮かせて雨水で流れるという効果と、「酸化還元反応」という、抗菌、抗ウイルスの効果があります。
今から10年近く前の2012年に、日本を代表する民間企業が総力を挙げて、光触媒技術で、「抗菌」「抗ウイルス」にチャレンジした記録があります。
当時、私自身は、光触媒の製造メーカーにいましたので、このプロジェクトには大きな期待をかけ、ワクワクして結果を楽しみにしていました。
「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」
そうそうたる日本を代表する企業が実証実験に参加しました。
実験室レベルでの試験結果について
■感染の対象となる細菌、菌類(大腸菌や黄色ブドウ球菌など)に対する実験です。
みごとに、わずか4時間後に、100%除去の効果が確認できます。
■ウイルスに対しての実験です。
インフルエンザ・ウイルスや、ノロ・ウイルスについてです。
こちらも、4時間で、100%除去(ウイルスの場合は不活化と表現)となります。
実空間での実証実験
ここからが、この実験の本番となります。
■公共施設、空港、病院での実証試験
フィルム、タイル、ガラス、アルミ板、空気清浄機
いずれも、光触媒技術を利用した製品での実験となります。
■病院における実験
・トイレ
■空港での実験
・空気清浄機
・ガラス
・フィルム
空港のカートや、病院の受付カウンターでの効果です。
実験期間1年間において、空港のカートに対して最大71%、病院のカウンターの平均が80%減少という結果でした。
実際の空間ですので、空港の利用者がカートを触るたびに、病院の利用者が受付カウンターを触るたびに、数値が上がるのを、光触媒反応で数値を下げるという事ですので、
この数値は十分効果があるという納得性があります。
しかし、「ウイルスをゼロにし続ける、100%の効果を持続させる」という期待には及びませんでした。
当時、私も衝撃を受けました。大変がっかりしたことを覚えています。
というのは、非常にリアルな現場での結果である上、
日本を代表する、東大とパナソニックなど大企業の実力だったからです。
企業側も、コストが回収できなかったわけですので、光触媒以外の方法に切り替えざるを得なかったのです。
この実証実験以降は、光触媒以外においても、この規模で実験された事例は、私が知る限りでは行われていないと思います。
実験室レベルでの効果があったとしても、実空間においては、非常に厳しいことが証明されました。
当時、光触媒の発明者である藤島昭氏はノーベル化学賞の候補者でしたし、民間企業の開発者たちは、まさに、「プロジェクトX」だったのです。
このあと急激に、光触媒の研究が減速していきました。
今回の、新型コロナウイルス対策について、東京大学をはじめとするメンバーが、コメントを発表されていないのを見ると、
この実証実験によるものが大きいと思います。
冷静に考えると、ウイルスをゼロにし続けることなど不可能です。
人が触った後、瞬間的に、ウイルスを除去し続けることはありえないと考えられます。
しかしながら、いかにもできるかの如く宣伝PRするのは、いかがなものかと思います。
したがいまして、昨今の、抗ウイルス(抗菌とごちゃ混ぜになっているようです)の告知や表現は、実験室レベルのものが多く、実空間での実証試験を行っていないため、「よくわからない」というのが実状であると、私は認識しています。
私自身の結論ですが、
消毒は、手洗い、うがい、人のふれた箇所の都度の消毒作業が、必須であると思います。
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