藤原定家自筆の源氏物語注釈書 欠損部分の一部発見~源氏物語にはにおいの記述が多くあります~
藤原定家の自筆書の一部発見 源氏物語を注釈、国宝の欠損部
出典:東京新聞2022年4月24日 朝刊
藤原定家による源氏物語の注釈書が東京都内で見つかったというニュースです。
1000年近く経過しても、自筆の掛け軸の書が発見されるという、
歴史をタイムトリップするような気持ちにさせてもらえます。
源氏物語には、匂いについての記述が多くみられます。
「夕顔の香り」についての質問のやり取りが、国立国会図書館のレファレンスサービスのデータにありますので、
ご紹介させていただきます。
■源氏物語における夕顔の香りはどのような匂いなのか?
具体的には源氏物語の「白き扇のいたうこがしたるを」の「こがす」の意味が「匂いをつけるために薫物(たきもの)の煙でくすぶらせる」(『日本国語大辞典 第二版 5』(小学館 2001)p.527)という意味だが、どのような薫りか研究した資料は無いか。
■国立国会図書館(千葉県立中央図書館)の回答
尾崎左永子「平安時代の薫香(7)」(『香料』 通号 200 1998.12)【資料1】p.129-134中に「夕顔の扇と香」(p.133-134)という章があり、
「白き扇の,いたうこがしたる,と書かれていて,おそらく紙扇であろうが,焦げて色のつくほど,香をたきしめてあった。
(中略) この香りが,どのようなものであったかは追求しにくいが,少なくとも「紙扇」にたきしめて日毎使い,
しかも「夏」であることを思うと,「薄荷」か,或はそのすずしさにやや女の甘さを加えた薫物を想像することが出来るであろう。」
との記述があります。
なお、具体的な香の記述ではありませんが、『国文学年次別論文集 中古2平成17(2005)年』(学術文献刊行会編集 朋文出版 2007)
【資料2】p.197-207掲載の 「源氏物語の移り香」(畠山瑞樹著)という論文中に、夕顔の差し出してきた白い扇には移り香が深くしみついていたが、その香は誰の移り香であったか(頭中将か夕顔か)についての論考が記載されています(p.204-205)。
また、同じく具体的な香についてではありませんが、『夕顔という女』(黒須重彦著 笠間書院 1987 笠間選書)
【資料3】中の「第2章 私の夕顔ノート 11 前項にひきつづいて、白き扇のいたうこがしたるともてならしたる移香いとしみ深うなつかしくてについて イ いたうこがしたるについて」 p.72-73 に、「こがす」とは「香をたきこめて、そのために色づくのを言う」と注釈されることが多いが、視覚的な、一目でそれと分かる特徴をいっているのではないかとする著者の論考が記載されています。
出典:国立国会図書館・レファレンスサービス
ここからは私の意見感想です。
「紙扇であろうが,焦げて色のつくほど,香をたきしめてあった。」
「すずしさにやや女の甘さを加えた薫物を想像することが出来る」
とあります。
自分の好きな匂いの香をたいて、その匂いをアピールする
というのが、
当時の粋な女性だったようです。
■出典:幸せを引き寄せる「香り」の習慣/成田麻衣子著
『源氏物語』の時代から、男女をいちばん燃え上がらせるものは「匂い」だった!
人妻の空蝉(うつせみ)を求める光源氏。
夜、忍び入ると、空蝉は薄衣一枚を残して逃げてしまいます。
空蝉の匂いが染み付いたその衣を光源氏は持ち帰り、空蝉を思いながら抱きしめます。
空蝉が夫とともに都を去るとき、その衣は空蝉のもとに返されるのですが、衣には光源氏の匂いが染み付いていました。
夫ある身を憂い、光源氏との身分の違いに涙する空蝉。
二人の匂いの往来が、この先20年にわたる切ない愛の物語につながっていくのです。
ここからは、私の意見感想です。
源氏物語に、このような記述があるのは驚きですが、
日本人の匂いに対する深い感受性
がうかがえます。
欧米のように、自身の体臭を香水で消してしまうのとは違う感覚があると思われます。
1000年も前から、日本における匂いの感覚は、意外に深いところがあるようです。
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