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コラム

参議院選挙の投票率から「政治の空白域」を考える ~投票率の低下は、社会の闇を照らしている~

全国の投票率は選挙区が52.05%で過去4番目の低さ

7月11日東京新聞WEB

約半分の国民が、選挙に行かない、っていう事実について、掘り下げて考えてみたいと思いました。
というのは、「選挙に行こう!」とかテレビなどのマスコミで言ってたり、街頭演説でも「選挙に行って!」と言っているにもかかわらず、投票率が落ち込んでいるのは、単に政治離れ、無関心という事では済まされないと感じたからです。

そこで、選挙を深く専門的に分析されている三春充希(みはるみつき)さんの著書や論考から引用させていただきます。

投票率の低下は、社会のあり方が背景にある問題です。どのような教育が行われ、新しく社会に出てくる人たちがどのような人間関係を築き、政治に期待し、社会と関わっているかということの反映であるわけです。
 そうした本質を置き去りにしたまま数字ばかりを引き上げようとしたところで、そこからは場当たり的な解決策しか生まれません。そこで、今回は投票率の実態を考察するとともに、今の政治の閉塞を打開することについて考えてみましょう。


出典:第3回 投票率の底から 『武器としての世論調査』リターンズ―

① 最低水準の維持(1990年まで)
② 投票率の崩壊(1990~1996年頃)
③ 長期低落傾向(2000年頃~)



ソ連の崩壊は1990年代初頭の世界的な事件といえますが、この時期、日本ではもう一つ重要な出来事がありました。バブルの崩壊です。
 バブルの崩壊によって日本の経済がダメージを受けると、雇用の非正規化や労働者の権利の切り下げを進めようとする圧力が政府や官僚、経営者の側から高まっていきました。他方でソ連の崩壊を契機として、労働者の利害を代弁する労働組合など左派系の勢力は弱体化していきました。こうした背景のもと、人々の反発が社会党や共産党の支持拡大につながることを恐れなくなった自民党は、新自由主義的な政策を露骨に進めるようになったのです。
 当時、こうした流れに対抗できる勢力は次第になくなっていきました。社会党が弱体化すると、社会党の後を担って自民党に対抗する勢力が模索されますが、この時期に目指されたのは保守二大政党制であり、いずれも新自由主義的な政策を掲げました。その結果、当時から10年ほどの間に社会に出ていった若者たちは、不安定な仕事や長時間労働を強いられる形となり、いわばバブル崩壊で生じた歪みをおしつけられたのです。その人たちこそ、いまロスジェネ(ロスト・ジェネレーション)と呼ばれている世代でした。
 1990年以前に社会に出ていった若者は、政治的には自民党と社会党という二大政党がしのぎを削る状況のもとで、就職し、技能を磨き、ボーナスで車を買い、結婚し、子供を育て、マイホームを建て、老後に備えてささやかな貯金を持つというような、ゆっくりとでも絶えず豊かになっていく社会のなかで生きていくことができました。けれども1990年以降の若者は、そうした父や母の世代が歩んだような人生を、もはや思い描くことができなくなったのです。そのような世代が毎年毎年、生み出されて積み重なってきました。日本社会の「底」が、ここに形成されたのです。

1990年代のバブル崩壊によって、“日本社会の底”が形成



 本来であれば、政治はそこにこそ目を向けるべきでした。若者たちを新しい産業へと引き込んでいくということがなされていたら、そこまで悲惨なことにはならなかったはずなのです。けれども政治は、若者の苦境を「自己責任」といって開き直ってきたのでした。
 20代の投票率と大卒就職率をあわせて示した図6からは、投票率の崩壊とバブル崩壊の時期が重なっていることが読み取れます。これは苦境に陥っていた当時の若者が、政治に希望を持てなくなっていったことの表れといえるでしょう。彼ら彼女らは政治の世界に自らの利害を代弁する存在を見出せなかったのです。実際、この時期の投票率の低下は、20代などの若い世代で特に激しかったのです

20代の投票率と大卒就職率が怖いくらいピッタリ




社会を変えるというのは、一人一人がばらばらに行うことではなく、言葉を交わし、力を合わせて実現する事であるはずです。それにもかかわらず、多くの人が互いに協力できなくなっているという現状があります。
 それには教育や人間関係などが関わっていますが、根底に位置しているのはやはり社会のあり方です。この社会は、多くの人の協力によって動かされるようにはなっておらず、むしろ人と人の競争によって動かされることになっています。その競争というのは必ずしも切磋琢磨するようなものではなく、蹴落としあいや奪い合いを含むものであり、子供は幼い時分からそれにさらされて生きるのです。
 こうしたこと自体が、いま、ここにある敗北の結果です。人と人の関係がこれほどばらばらになってしまっており、協力して社会を変えていくことが困難な状態に置かれているという、敗北の結果のあらわれが投票率の低迷です。多くの人がばらばらにされ、社会に生起する問題に対して無力な現状があります。投票率を上げていくということは、そうした現状と対峙することです。

競争社会による敗北感が根底にある問題

バブルの崩壊と投票率の崩壊、その後の日本経済の低迷と投票率の長期低落傾向が重なって見えてきます。いずれもこの社会から取り残された人たち、仕事でも政治でも力を発揮できなかった多くの人たちが関わっているからです

その人たちが「社会は動かない、自分もまた変わることがない」という諦めのなかから立ち上がり、自分たちの失われた未来を取り戻そうとして政治へと踏み出す時。そして政治の側が、その人たちの未来を作り出すことなくして失われた日本の未来を取り戻すことはできないという点で結びついた時、物事は大きく変わっていくのではないでしょうか。

投票率の低下は、社会の闇を照らしている

忙しすぎて、いつ選挙があったか知らない。
テレビをゆっくり見れないので、いつ選挙があるのか知らない。
政治の世界はお金持ちのやってる遠い世界。
このような話を実際に聞くことがあります。

このことについては、もう少し勉強したいと思います。

<参考図書>三春充希氏著書 「武器としての世論調査」

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